生理学講座(統合生理学分野)
講座・分野紹介
生体の機能は、外界からの刺激に対して行動するという外面的要素と、それらに必要な生命現象の基礎となるエネルギー代謝や体液環境を維持するという内面的要素から成り立つと考えられます。当分野の研究ではパッチクランプ法やイメージング技法を用い、総合的に神経や器官機能のメカニズムを研究するとともに、種々の病態解明を目的としています。具体的研究内容としては、主に下記について行っています。
主な研究内容
- ラット脳スライス標本を用いた局所神経回路の働き
- 上皮細胞内の機能制御因子の動態と解析
- 細胞膜へのチャネル分子の発現とその活性制御
- 細胞内シグナル伝達による細胞機能発現
- 腎尿細管の水・電解質輸送の分子生理学
学生へのメッセージ
生理学の研究は、主に生きた細胞や組織を用い、種々の刺激による細胞応答をリアルタイムに観察するというダイナミックな実験側面を有します。教科書に出ているような事象を再現し、その機能を理解することもでき、それは生体機能の多くは未だ謎であることを知ることにもつながります。とかく複雑と思われがちな生理学ですが、観察する現象は単純なことが多く、通常の受容体刺激や機能性タンパク質のもつ特性を明らかにするとともに、種々の疾患に起因する病態を明らかにすることを目指しています。研究に興味がある方、細胞機能の一端を見てみたい方、様々なニーズに応じて研究を進めることができます。