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歯学研究科長メッセージ

岩手医科大学大学院歯学研究科は、北東北の歯学医療の教育拠点として社会への貢献を使命とし、高度な専門知識と多面的な能力を併せ持ち、専門家としての豊かな倫理観を有する医療人・歯学教育者の育成を目指しています。昭和58年(1983年)に開設されて以来、博士(歯学)の学位が授与された者は350名を超え、地域医療発展のために先導的役割を担ってきました。
歯学研究科では、生命科学研究における体系的な知識や研究能力を修得のために、大学院共通教育プログラム、基礎教育特論、臨床教育特論を履修していただきます。また、指導教員の下で研究課題に即した研究指導および高度臨床技能指導を受け、研究者として自立して研究活動を行う能力と高度臨床技能、その基礎となる豊かな学識を身につけていただきます。本研究科で行える研究領域は基礎歯学分野、社会歯学、臨床歯学分野と歯学全般をカバーしており、19の専攻別学科科目から主たる科目を専攻し履修を進めます。所定の科目を履修して研究科の定める単位を修得し、さらに独創的論文を提出して論文審査および学位論文を中心とした最終試験に合格した者に対して博士(歯学)の学位が授与されます。
さて、歯学研究科(大学院)に進学し歯学の中でもさらに細分化された専門分野を学ぶことで得られるものは何だと思われますか。以下の5つの項目が大学院での履修を修了することで身につく能力と考えています。
1.高度な専門知識と技能の習得:
大学院での学びを通じて、特定の分野における最新の理論や技術を調べる能力を身に着け、深く理解し、実践応用する能力を身につけることができます。これは、歯科医師としての専門性を高め、他の歯科医師との差別化に繋がります。
2.問題解決能力の習得:
大学院では、指導医の下で独自の研究を計画・実行し、成果を学会発表や学術論文発表を通じて発信する能力を養います。これらの課程を経験することで、問題解決能力や物事の本質を捉え判断し、あるべき方向に導くクリティカルシンキングのスキルを身につけることができます。
3.企画能力・統括能力の養成:
大学院では、自身の研究を遂行するだけではなく、様々な研究プロジェクトの一員として、プロジェクトの企画・運営に携わり学ぶ機会が提供されます。これにより、組織やプロジェクトを効果的に管理する能力が身につき、自身での企画能力とチームを統括する能力が高まります。
4.歯科医師としてのキャリアの選択肢の広がり:
大学院を修了して与えられる学位である博士(歯学)は、大学院卒業後のキャリアの幅を広げます。多くの人が専門的な臨床歯科医師としてのキャリアを選択しますが、例えば、研究職や教育職、行政職、海外大学での働きに繋がるなど、学部卒では難しい職業に就くことも可能になります。
5.職業倫理と社会的責任の理解:
大学院では、研究倫理や社会的責任について学び、専門家としての倫理観を養います。これにより、倫理的な判断を下し、社会に貢献する意識を持つことで、患者、スタッフ、周囲の人から信頼される歯科医師となります。

大学院で専門分野を学ぶことにより得られるこれらのアドバンテージは、キャリアの発展や専門性の向上において大きな利益をもたらしてくれることでしょう。大学院で学ぶ4年間は自分への投資です。歯科医師としてのしっかりとした根幹を築き、様々な壁を自身で乗り越え、生涯成長し続けることが出来る歯科医師になりたいと希望する貴方には、大学院への進学は価値あるものだと思います。
歯学研究科は、歯科医療や研究を通して患者や周囲の人達のことを幸せにしたい方、地域医療の発展に貢献したい方、歯科医師として一流を目指す方々のご入学を心から願っております。

歯学研究科長 小林 琢也(歯科補綴学講座 有床義歯・口腔リハビリテーション学分野 教授)