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緩和医療学科

講座・分野紹介

緩和医療(緩和ケア)とは、がんをはじめとする生命を脅かす疾患に罹患した患者さんやご家族に対し、診断の時点から療養に至るまで、生き方や価値観を尊重しながら支える全人的医療です。痛みなどの身体的苦痛の軽減に加え、不安や抑うつといった心理的苦痛、家族関係や社会生活での問題などを包括的に支援することで、患者さんとご家族の生活の質(QOL)の向上を目指します。当科では、疾患の早期から終末期に至るまであらゆる段階における苦痛を緩和することを目標に、臨床実践を基盤とした研究と教育を行っています。評価方法や治療方法の開発などを通じて、緩和医療分野をリードし得る人材を育成します。

主な研究内容

  1. 緩和ケアの普及・発展を目指した多施設・多職種参加型教育システムの構築
  2. 医療用麻薬スイッチにおける適正換算比の確立
  3. 皮膚吸収性医療用麻薬における体脂肪率と薬効発現の関連性の解明
  4. 医療用麻薬および緩和医療に関する意識調査
  5. 終末期における療養場所や療養方法の希望に関する調査
  6. 医療従事者の終末期医療提供に関する意識調査

学生へのメッセージ

近年、がん医療においては外科治療、薬物療法、放射線療法に続く「第4の治療法」として緩和医療が位置づけられるようになりました。医学が進歩し、治癒や延命を目指す治療はますます先進化・細分化する一方で、患者さんやご家族の想いが置き去りにされる危険性も指摘されています。私たちは、すべての人が安心して納得できる医療を受けられるために、症状緩和や精神的サポート、さらには意思決定支援を含めた緩和医療が不可欠であると考えています。当科では「患者に寄り添う医療」を志す方を歓迎し、共に学び、実践を通じて未来の緩和ケアを切り拓いていきたいと願っています。