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医学教育学講座

講座・分野紹介

これまで、教育は医療系大学において診療と医学研究の狭間に位置しており、ともすれば大学人にとって片手間仕事のように思われてきました。しかし、大学に求められている要求水準が高くなる一方、入学生のstudy skillの低下と気質が変化したため、これまでのような一方向の高飛車な講義と見学型の実習では、要求水準に到達することは困難になってきました。そこで、医学教育を専門に考えて、方針を提言する部署として平成25年10月にあらたに開講された講座です。医学教育学分野の教授1名、准教授1名、特任講師1名、地域医療学分野の教授1名、技術員1名という小所帯で、スタッフは元部門の教育と診療に携わっています。これは「現場から解離した教育学はあり得ない」との考えからです。あわせて各診療部門との連携も行っていくことになります。

主な研究内容

本講座の使命は、教員の教育力向上(教育方法の改善)と学内の教育機構の評価や組織改変、および教育環境の整備の提言等、教育の戦略を企画・立案することです。また教育学というのは、人間社会科学の一種であり、俗に言う「文系」の領域です。従って、研究は教育に係わる事象観察と情報収集、そしてその解析をおこなうのが主な作業となります。

【医学教育学分野】
医学教育学分野は、医学部のカリキュラムについて、最新の情報を収集・分析して、本学に適したカリキュラムを提案すること、新しい教育手法を入手し、教員と共有することを主な仕事としています。従って、導入したカリキュラム、教育手法が学生に与えた影響を調査・解析し、さらなる改善案を提案していくことが研究のテーマとなります。そのためにはIRとの協力は不可欠であることから、IRを保有する全学教育推進機構と連携し、研究を進めていきます。

【地域医療学分野】
地域医療学とは、“地域を俯瞰し、その問題点を抽出して、地域の多職種で患者さんのハードルをどう解決するかを考える”学問です。さらにそのための学生教育をどう行うべきかを研究する分野です。地域医療学分野では、総合臨床医学コースを設けています。まず初期臨床研修を実地で行い、地域の問題点を把握して、それをもとに地域の課題を抽出した研究をテーマとします。そこから、弱点とされてきた岩手県の広大さを研究のバネに、遠隔医療を始めとしたIoT技術を地域医療へ上手に生かす仕組みの研究に取り組みます。さらに、地域医療学を元に学部学生の教育手法の開発に取り組みます。

医学教育学講座

学生へのメッセージ

後進育成は医療人の責務ですし、なんといっても原石を磨き上げるのは究極の天職と思います。まだ学問としての歴史が浅い部門ですが、新たなフロンティアに挑戦しようとする方の来室を期待します。