睡眠医療学科
学科紹介
本コースは総合的内科学や呼吸管理学と精神神経科学の融合分野です。主に以下のテーマを学びます。
- 内科系専攻(高度臨床医育成分野)
「人間はなぜ、そのように行動してしまうのか」を科学的に扱う行動学と呼吸・循環生理学を基盤とする睡眠行動医学を修め、新しい臨床医学分野である睡眠医学系実地臨床(診断・治療)の専門家としての知識と技能を修得する。医師、歯科医師、臨床検査技師、看護師など、睡眠医療を担う人材を育成する。
- 社会医学系専攻(睡眠の障害に基づく疾病や障害の探求)
社会医学としての睡眠医学に関する広い知識を有し、睡眠関連疾患(過眠症・不眠症)と社会不適合、危険作業従事者における日中過眠をはじめとする社会医学的課題への対処や早期診断と治療法の開発など、社会医学的診療・研究が行える人材を育成する。
主な研究内容
- 睡眠中の呼吸障害に関する研究を行っており、産・学の連携のもとで新たな治療方法や医療機器、診療システムの開発(図)を行っている。
- 病態解明や診断方法の確立を目的として、睡眠や食行動などに関係する神経ペプチドの測定による研究を行っている。
- 睡眠の障害やその原因となる内科的病態や解剖学的異常などを解析する(歯科分野との連携)。
- 感染制御における行動医学的側面について研究している。
学生へのメッセージ
○睡眠は単に眠るにあらず
睡眠の異常が日常の判断や記憶、運動機能など高次脳機能に悪影響を与えることは、誰しもが経験しています。近年、 睡眠の障害が脳機能のみでなく、循環器疾患や代謝性疾患 も重大な影響を与えていることが次々に明らかにされています。睡眠医療学は内科・外科系のみでなく、歯科や検査医学との境界領域に位置し、呼吸、循環、代謝、中枢神経 機能などを扱う医療従事者にとって、最も新しい研究分野のひとつといえます。 研究の相談・指導役となる先輩たちは本コース設置以前から睡眠関連の研究で学位を取得し、同時に臨床医として内科や呼吸器科、睡眠医療認定医の試験にも合格しています。さらに広く国内外への留学ルートもあり、出身者2名は既に県内で自ら睡眠クリニックを主宰しています。また、当研究室は行動医学を活用した医療関連感染対策の実務についても学ぶことができます。