病理診断学講座
講座・分野紹介
当講座は前身も含め30年以上にわたり本学附属病院の病理診断の中核を担ってきました。2014年4月には基礎講座から臨床講座として独立し、『病理診断学講座』として新たに出発しました。現在、教授2名、准教授1名、講師1名、助教3名からなる教室であり、附属病院の病理診断を行いながら、病理組織検体を用いて、肺癌、婦人科癌、消化器癌(消化管、胆膵)の病理を中心に、腫瘍学 (oncology) を研究の基本として人体に発生する腫瘍の病理学的解析を行っています。
主な研究内容
人体に発生する腫瘍の臨床病理学的・生物学的特徴を明らかにするために、組織・細胞検体を用いて免疫組織化学を用いた蛋白発現状態、遺伝子コピー数異常、microarrayによるmRNA発現状態、エピゲノム、次世代シーケンサーを用いた網羅的な遺伝子異常について解析研究を行っています。また近年研究が進んできた腫瘍微小環境について多数の癌腫で研究を行っています。当教室では様々な研究を行うとともに、得られた知見を病理診断はもちろんのこと、治療や予後との関連性についても関連付けて検討することで、「臨床に役立つ病理学」を目指し実践しています。
【これまでの研究テーマ】
- 原発性肺癌における腫瘍微小環境状態の検討:癌関連線維芽細胞、腫瘍関連マクロファージと予後との関係
- 原発性肺腺癌組織亜型間の分子病理学的差異についての検討
- 消化器および婦人科腫瘍における分離腫瘍腺管の遺伝子解析
- 鋸歯状病変の腫瘍発生と進展過程の臨床病理学的・分子病理学的解析
- 虫垂腫瘍における分子病理学的および臨床病理学的解析
- 稀な肺腫瘍における分子病理学的解析
- 皮膚腫瘍における腫瘍微小環境状態の検討
学生へのメッセージ
我々の教室には、病理診断の修得や研究(学位取得)に絶好の環境と最新設備が整備されています。診断面のみならず、研究面においても国際的に高い評価を受けており、臨床と研究の調和に基づいた、臨床医としての貴重な経験と実力が体得できます。決して後悔しない刺激が受けられます。さらに本講座は地域医療学実践分野を導入しており、病理・細胞診専門医取得へのキャリアパスの基礎力、現場の病理診断科で実践可能な能力、リサーチマインドを修得できます。やる気のある皆様の入学を期待しています。