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予防歯科学(含 高度臨床歯科医育成コース)

学科目紹介

予防歯科は集団を対象とする地域口腔保健学と個人を対象とする臨床予防歯科学に大別されます。前者に関する研究としては10年間、被災地で行った口腔保健に関する調査活動の結果から、大規模災害と復興状況が口腔の健康に及ぼす影響等を分析しています。後者に関しては、主として放射線療法・化学療法を用いる周術期患者を対象に、口腔合併症である口腔粘膜炎の発症予測と予防することで周術期の口腔並びに全身のQOL低下を防ぐことを目的とした臨床研究を行っています。さらに、高齢者の口腔状態を悪化させる要因の1つである口腔カンジダの抑制効果を持つ口腔保健用食品の開発のため、高齢者施設等において介入研究を行っています。さらに奥羽大学との共同研究で、根面齲蝕の再石灰化を促進する口腔保湿剤や義歯安定剤の開発を行っています。

主な研究内容

  1. 被災地住民の口腔内状況と口腔関連QOLに関する研究
  2. 周術期の口腔粘膜炎の関連要因と予防法に関する研究
  3. 抗真菌効果のある保健用食品の開発に関する研究
  4. 口腔微生物と口臭ならびに口腔内状況に関する研究
  5. 歯質の再石灰化を促す口腔ケア用品の開発に関する研究

上記の研究内容に関連した研究計画法、実験手法、データ解析法を指導しています。

学生へのメッセージ

現代の歯科医師には、従来の歯科治療だけでなく、高齢者の健康維持や全身疾患治療時の患者のQOL低下の防止、大規模災害被災地における口腔保健管理といった、新たな役割が期待されています。しかしそれらに対する科学的知見の集積は乏しく、現状把握による健康問題の明確化、健康問題と関連する要因の追求、問題解決方法の開発といった、口腔医学の課題は山積しています。過去数十年、予防医学の成果により、齲蝕や喪失歯は見事に減少しています。しかし歯科医師が研究すべき対象はますます増えており、とくに罹患率が高い歯周病や、誰もが経験する「老い」に関しては、治療医学に増して予防医学への期待が高まっています。当分野では、研究手技のみならず、データからその背後に隠れた関連を見いだす統計学的手法も専門としており、それを身につければ日常臨床のなかでも研究を継続することが可能です。知的好奇心旺盛な方、人間が大好きな方、目に見えないことを大切にする方、みな大歓迎です。おそらく、自分の新しい可能性に気づくことができる分野です。