医学研究科長メッセージ

-医学・医療の未来を切り拓くのは、あなたの探究心と熱意です-
岩手医科大学大学院医学研究科は、医学・医療の教育研究拠点として社会に貢献するとともに、世界を牽引する先端的生命科学研究者、高い倫理観と高度な医学知識・医療技術を備えた医療人・教育者の育成を目指しています。
当医学研究科では、生命科学、社会医学、臨床医学といった医学の主要領域を広く網羅し、修士課程(4年制大学卒業者対象)および博士課程(6年制大学卒業者・修士課程修了者対象)を設置しています。さらに、若手医師のキャリア形成支援とリカレント教育の充実を目的として、2009年には社会人大学院制度を、2023年には秋入学制度を先駆けて導入し、柔軟かつ多様な学びと創造的挑戦の機会を提供しています。
修士課程では、先端医科学群に14分野、応用医科学群に15分野を設け、がん・遺伝などの領域における高度専門資格の取得支援も行っています。博士課程では、専門医学領域48分野、融合医学領域8分野による体系的な教育プログラムを通じて、多様なキャリアパスの構築を支援しています。いずれの課程においても、自らの問いを深める場としての研究環境が整備されており、知的好奇心を刺激する学びが展開されています。
本学の研究体制は、学部や講座の枠を超えた学際的な連携を特色としており、これまでにも私立大学学術研究高度化推進事業、戦略的研究基盤形成支援事業、リーディングプロジェクト、東北発革新的医療機器等開発事業、東北メディカル・メガバンク計画の他、医歯薬総合研究所に設置された超高磁場7テスラMRIをはじめとする先端設備の共同利用環境を整備し、研究の支援とともに大学院生を中心とした若手研究者の育成に積極的に取り組んできました。これらの取り組みは、世界とつながる研究の推進にもつながっており、多くのめざましい成果を上げ、優れた研究者・医療人が多数巣立っております。
現在、さらなる研究環境の充実を目指し、臨床と医歯薬総合研究所との共同研究の推進、産学官と地域連携などの組織体制強化が進んでおり、異分野の融合が生み出す新たな知の創出により、大学院生が創造的実践を通じて飛躍する環境を整えております。
教育面では、研究指導体制の強化と内部質保証の確立を目的に、双方向履修プロセス管理システムをいち早く導入し、専攻分野以外の教員も含めた多面的な研究進捗管理・支援を行っています。また、公開型の最終試験において多分野の審査員による学修成果・学位論文の客観的評価と修了認定を行うことで、学位審査の透明性・公平性を確保しています。今後も大学院教育のさらなる充実化と適正化を図り、知のプロフェッショナルとして世界に羽ばたく人材の育成を推進していきます。
私たちには、最先端の医学研究を通じて超高齢社会の課題に向き合い、さらにその先のより良い医療を創造・支援していく責務があります。高い志と熱意を持ち、「誠の医療人」を目指す皆様の入学を、心から待ち望んでおります。
医学研究科長 下沖 収(総合診療医学講座 教授)





