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大学院生の声(博士課程)

臨床の現場へ向け、あらたに創り出す医療もある。

館道 芳徳

館道 芳徳

大学院 医学研究科/博士課程4年
[病理学講座 病理病態学分野]

  • 出身校/岩手県立 盛岡第三高校
  • 平成14年・山形大学医学部卒

「病気」への尽きない疑問と探究心

研究生活が佳境を迎えつつありますが、患者さんと向き合う現場とのつながりも大切です。週に2日ほどは沿岸部の県立病院へ出向き、消化器内科で臨床に携わっています。研究あっての臨床、臨床あっての研究というスタンスを貫くことで、これからの地域医療へ貢献できる幅が広がるのではないか。このように考えています。私は研修医の時期を新潟、埼玉で過ごした後、郷里の盛岡へ戻って附属病院に勤務するかたわら、平成18年に大学院へ入りました。なぜ病気が起こるのか、どのような症状や経過が見られるのか、どうすれば治るのか…。こうした尽きない疑問と探究心に駆られ、臨床医学へ還元できる知見と研究手法を根底から学ぼうと進学しました。

がん発現のメカニズムを分子レベルで

肝臓がん・消化器がんなどの発現に関与する分子を探索し、そのメカニズムを解明する研究に取り組んでいます。ゆくゆくは効果的な診断法・治療法、さらに医薬品の開発に結びつく。そういうプロジェクト的な意味合いを帯びています。技術的なポイントは、分子生物学と遺伝子工学との融合。タンパク質の構造解析に基づく創薬への展開では、薬学部との連携も深まっていきます。医学のフロンティアを拓く高揚感を味わえますが、新しい試みにトライするプロセスでは、仮説が覆って再考したり方向転換を図ったりするケースに、しばしば遭遇するものです。粘り強く、高いハードルに挑んで得られる成果を多くの患者さん、医療人と分かち合うのが願いです。


探究へと、心は馳せる。サイエンスに真摯です。

玉川 靖則

玉川 靖則

大学院 医学研究科/博士課程1年
[解剖学講座 細胞生物学分野]

  • 岩手県立久慈病院 薬剤科に勤務
  • 平成4年・北海道薬科大学卒

薬剤師として、高みを目指そう

ふだんは薬剤師として病棟の患者さんを担当するほか、感染制御などの対応を図るポジションに就いています。病院が休診になる土曜日、朝はやく家を出て盛岡へ車を走らせます。週末を利用して研究室へ向かうためです。薬剤師と大学院生という、二足のワラジにも慣れました。職場の理解を得て、もちろん家族の応援にも力づけられながら限りある時間を有意義に使っています。病院薬剤師の業務でも、専門性に特化して問題解決を求められる傾向が強くなってきました。これまで以上に勉強してレベルアップを、と意を強くして修士課程の先端医科学群へ入り、この4月からは博士課程の1年生。生理系に籍を置き、利尿剤の薬効メカニズムを研究しています。

臨床の実務に活かせるエビデンス

バイオイメージングという手法を用い、ラットの血管細胞を可視化。薬物が生体へ働きかける状態を、こうした微細な状態で把握するのが実験の大筋です。学問的に依拠するのは組織学の分野ですが、そこへ薬理学の視点を交えてアプローチを試み、オリジナリティーの強いテーマ意識を深めようと考えています。一連の成果を論文に著して学会発表へ、というシナリオがあります。また臨床とのつながりを絶えず意識することで、薬剤師としての実務に活かせるエビデンスを確かなものに、と先々を見据えています。分からないことを一つ一つひも解く喜び、手ごたえが大きくなってきました。サイエンスに真摯で、ゆたかな着想を引き出す講座の気風に感謝です。