臨床遺伝学科
学科紹介
次世代シークエンサーやDNAマイクロアレイなどの検査法普及により、がん、高血圧症、糖尿病などのCommon diseaseも含めた各種疾患への遺伝学的解析が次々と行われる様になってきております。しかしながらその一方で、これら遺伝情報の回付に関しては内容・方法等、今後検討していかねばならない事項が山積しております。また遺伝情報の回付の中心になる遺伝カウンセリングを日常医療において受ける機会は、全く無いか極めて限定されているのが現状です。当科ではこれらの現状を踏まえ、多様化する遺伝カウンセリングへの対応、より高度な遺伝診療への対応などが可能な臨床遺伝スペシャリストの育成を行います。
遺伝カウンセリング学専攻(遺伝カウンセラーコース)
2017年度より臨床遺伝学科では、認定遺伝カウンセラー養成コース(修士課程)設置し人材の育成を開始しています。
遺伝子解析技術の進歩に伴い多くの医学領域において遺伝学的な関与が明らかにされており、これまで関連性が少ないと思われていた疾患への遺伝学的解析が次々と行われるようになっています。本分野では多様化する遺伝カウンセリングへの対応、より高度で専門レベルでの遺伝診療への対応などが可能な臨床における遺伝スペシャリストとしての認定遺伝カウンセラーの養成を目的としています。人類遺伝学・臨床遺伝学・遺伝学的情報の取り扱い・チーム医療としての遺伝医療と遺伝カウンセラーの働き方・遺伝医療に関わる生命倫理・カウンセリング技術等について習得することができ、修士課程修了後に認定遺伝カウンセラーの受験資格を得ることができます。
入学年度 | 入学者数 | 入学者背景 |
2017年度 | 3名 | 助産師、獣医学、生命科学等 |
2018年度 | 1名 | 創薬、バイオインフォ等 |
2019年度 | 1名 | 診療検査技師 |
2020年度 | 2名 | 生命医科学、社会学系 |
2021年度 | 2名 | 看護師、生命科学 |
2022年度 | 1名 | 助産師 |
2023年度 | 1名 | 保健師 |
2024年度 | 1名 | 看護師 |
・家族歴の質に関する研究
・無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)を受ける妊婦とそのパートナーの間に存在する認識の違いについて
・医学生を対象にした出生前遺伝学的検査における認識の調査
・無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)受検者を対象とする家族の影響に関する調査
・出生前遺伝学的検査に関する意識調査-子育て世代からその親世代まで幅広い世代の女性を対象に
・一般女性における乳房セルフチェックの実施頻度で頻度に影響を与える要因の分析
・一般女性におけるブレスト・アウェアネスの実態調査
・出生前検査についての助産師の知識と認識調査
・自治体保健師を対象としたNIPT等の出生前検査に関する情報提供等の実態調査
岩手医科大学附属病院臨床遺伝科で行われている遺伝カウンセリングに、臨床実習中から実践的に関わりながら学ぶことができます。
実際の事例に対する準備、家系図聴取、カウンセリング後の検討などに教員の指導のもと取り組み、幅広い領域の豊富な臨床経験を積むことができる養成プログラムを提供しています。
大学院生募集
2026年度(令和8年度)入学試験日程
秋入学 未定
第一回入試
願書出願期間 2025年10月 予定
入学試験日 11月 予定
合格発表 12月 予定
第二回入試
願書出願期間 2026年1月-2月上旬 予定
入学試験日 2月末 予定
合格発表 3月上旬 予定
内容についてのお問い合わせ先 ✦出願前に必ずご連絡ください✦
岩手医科大学医学部臨床遺伝学科
HP: https://www.iwate-med.ac.jp/education/gakubu_in/med_gakka/iden/
連絡担当者 山本 佳世乃 (特任准教授 認定遺伝カウンセラー)
E-mail: iwateiden[*]iwate-med.ac.jp
[*]を@に変えてご利用ください
Tel: 019-613-7111 (内線 3258)
大学院・医学研究科HP
https://www.iwate-med.ac.jp/research/daigakuin/in_exam/in-med/#shuushi
〒028-3694 岩手県紫波郡矢巾町医大通1丁目1番地1号
岩手医科大学医学部教務課
TEL 019-651-5111(内線5512・5511) FAX 019-698-1826
担当教員・スタッフ
岩手医科大学附属病院
- 鈴森伸宏(臨床遺伝専門医・指導医・産婦人科専門医)
- 小林有美子(臨床遺伝専門医・耳鼻咽喉科専門医)
- 山本佳世乃(認定遺伝カウンセラー)
- 吉田明子(認定遺伝カウンセラー)
- 福島明宗(臨床遺伝専門医・指導医)
- 三浦史晴(臨床遺伝専門医・指導医・産婦人科専門医)
- 金杉知宣(臨床遺伝専門医、産婦人科専門医)
- 熊谷広治(臨床遺伝専門医、産婦人科専門医)
- 工藤小百合(専任看護師)
博士課程
遺伝関連の話題が日常生活内においても取り上げられ、医療分野においては各種遺伝子検査やそれに伴う個別化(オーダーメード)医療が標準的医療になりつつあります。一方で遺伝情報の解釈は未だ難解であり、さらにその結果が当事者本人のみならず、親兄弟、配偶者、子供にまで影響を及ぼす場合があり、これらを常に念頭に置いた医療を行っていく必要があります。当科ではこれらの状況に対応可能な遺伝医療マインドを身につけた臨床医および臨床研究者の育成を目指しております。
主な研究内容
- 遺伝情報回付に関する研究(いわて東北メディカルメガバンク事業との共同研究)
- 母体血を用いた非侵襲的遺伝学的検査(NIPT)に関する研究
- 遺伝性難聴に関する各種遺伝子解析とそれに伴う遺伝カウンセリングの検討
- 遠隔遺伝カウンセリングの有効性に関する研究
- 家系図自動作成ソフトの開発研究
- 家系図の自動作成に関する研究:家系図作成を補助するソフトウェアの開発とその検証
- 難聴遺伝学的検査についての理解と認識に関する研究
臨床遺伝専門医を目指す方へ
臨床遺伝専門医とは:すべての診療科からのコンサルテーションに応じて適切な遺伝医療を実行するとともに各医療機関において発生することが予想される遺伝子に関係した問題の解決を担う、各診療科専門医の上位に位置する専門医資格です。各種医療の現場において今後ますます必要となる部門ではありますが、特に地方での人材は不足しております。岩手医科大学附属病院は認定研修施設であり、専門医資格取得に向けてサポートを行うことができます。当科では学位のみならず臨床遺伝専門医取得に関しても支援いたします。