研究
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略歴 PROFILE

1984年3月
岩手医科大学医学部 卒業
1988年3月
岩手医科大学大学院医学研究科 修了
1988年4月
岩手医科大学中央放射線部 助手
1994-1995年
米国国立衛生研究所(NIH)留学
1996年9月
岩手医科大学放射線医学講座 講師
2007年10月
岩手医科大学先端医療研究センター 超高磁場MRI研究施設 准教授
2009年4月
岩手医科大学先端医療研究センター 超高磁場MRI診断・病態研究部門 教授

<主要研究領域>
神経放射線診断学

<所属学会等>
日本磁気共鳴医学会 (理事、教育委員長)、日本医学放射線学会 (専門医、代議員)
日本神経放射線学会 (評議員)、日本脳卒中学会 (評議員)、日本脳ドック学会 (MRI診断標準化委員長) など

次世代イメージング手法や
機能解析手法の確立

私たちの研究部門のテーマは大きく分けて二つあります。
一つは、最先端のMRIを用いた次世代の医療につながる新しい技術の開発です。先進機能を備えた最新鋭の超高磁場7テスラMRI装置などを用いて、神経メラニンイメージング法・髄鞘イメージング法・容積拡散イメージング法などの次世代のイメージング手法を独自に開発することにより、脳神経・脳血管領域の先駆的な研究を行なっています。

神経メラニンイメージングでは、従来の画像診断では分からなかった脳の神経細胞レベルの変化をつかむことができ、うつ病、統合失調症、パーキンソン病などの神経伝達物質の異常を捉えることができるようになっています。

髄鞘イメージングでは、従来のMRIの画像のコントラストの低さを克服し、脳の中を手に取るようにわかるクオリティまで引き上げ、病変との関係性を解明できるようになっています。

容積拡散イメージングでは、単なる画質向上にとどまらず、脳の神経線維の微細な機能異常などの解明ができるようになり、臨床でも活かされています。

これらは、国内はもとより、世界でも活用されている「岩手発の技術」です。最近では、水分子プローブと位相変化を用いた未来の脳血流代謝検査の開発も進めています。

脳神経画像診断の国際的標準化の取り組みと
高精度脳血流解析ソフトの開発

もう一つの取り組みとしては、脳卒中をはじめとした社会問題になっている病気の画像診断の標準化です。

装置や解析ソフトの多様化によって、画像や判定の質にばらつきが生まれてきていることが、我々の調査によってはじめて分かり、10年ほど前からオールジャパンで検査法や解析法の標準化に取り組みました。急性期の脳梗塞などは画像診断が治療法を左右しますので、一刻を争う問題です。全国的な研究班を組織して画像診断の標準化を行い、「この目的には、このような検査をしましょう」という指針を確立しました。また、国際研究組織では、精度検証用デジタルファントムを開発し、世界各社の解析ソフトウェアの精度検証も実施しています。当部門の工藤與亮講師が開発した「PMA (Perfusion Mismatch Analyzer)」というフリーの画像解析ソフトウエアは、国内で700以上, 世界で300以上の研究者に使っていただいています。

20分野の研究者との
自由で横断的な共同研究体制

本学の医科系総合大学としての特色を活かし、学部・講座を越えた約20領域の研究者とともに研究テーマごとに有機的な学際的研究チームを組織し、精力的に研究を進めています。

例えば、薬学との連携。鶏卵を用いた脳発達障害モデルの新たな画像評価法を共同で確立し、微細脳発達障害の病態解明につながる成果が生まれています。また、隣接した動物研究センターとの連携で多彩な研究が可能になっており、例えば、コモンマーモセットを用いた高次脳機能や神経回路に関する研究が開始されようとしています。

学内だけでなく、国内外の研究施設・企業との共同研究・開発も精力的に進めています。新しい装置や薬剤の開発への貢献や、霊長類を用いた薬効評価モデルの構築がその一例です。今後、超高磁場MRIを主軸とした横断的・学際的な研究を推進することにより、新しい研究成果が次々に生まれてくると思います。