免疫チェックポイント阻害薬の長期維持療法が外来がん薬物療法費に与える経済的負担
岩手医科大学医歯薬総合研究所創薬・医療機器開発部門の玉田紳治大学院生、西塚哲特任教授、岩手医科大学医学部泌尿器科学講座の小原航教授らの研究グループは、岩手医科大学附属病院における2022年度の外来がん薬物療法データを解析し、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を用いた長期維持療法が、対象患者数は限定的であるにもかかわらず医療費全体に大きな割合を占めることを明らかにしました。この成果は2026年8月21日に国際的な査読制がん研究専門誌「Cancer Treatment and Research Communications」の電子版に公開されました。
【ポイント】
- 2022年度に岩手医科大学附属病院で外来がん薬物療法を受けた16種類のがん、1,425人、8,179治療機会、178レジメンを対象に、医療費を解析しました。年間総医療費は約26億円でした。
- ICIを含む治療は医療費の大きな割合を占め、ICI単剤療法だけで総薬剤費の44%を占めました。
- ICI維持療法は47人(全体の3%)のみに実施されましたが、473治療機会(6%)に相当し、年間総医療費の11%(2億7,200万円)を占めました。また、維持療法全体の費用の64%をICI維持療法が占めました。
- 本研究は、長期ICI維持療法が外来がん薬物療法費の集中的な負担要因となる可能性を示し、ctDNAなどのバイオマーカーを活用した治療期間最適化の必要性を示唆するものです。
