がん細胞を確実に「死」へと導く新たな機構を解明 -がん細胞の生き残りを防ぐためのメカニズム-
「死の受容体」とも呼ばれるFas受容体はがん細胞に対し強力に細胞死(アポトーシス)を誘導するため、がん治療への応用が期待されています。しかし、多くのがん細胞では遺伝子変異によっては典型的なアポトーシス誘導経路が機能せず、アポトーシスに耐性(アポトーシスが誘導されにくい状態)を示します。
東北大学大学院薬学研究科の山田裕太郎 大学院生 、土田芽衣博士、松沢厚教授および岩手医科大学薬学部の野口拓也教授らの研究グループは、 がん抑制遺伝子LKB1が、典型的なアポトーシス誘導経路とは別の代替経路によってアポトーシスを誘導することが判明しました。これはFas受容体による全く新しいアポトーシス誘導機構です。種々のがんで見られるLKB1の変異体は、今回発見した代替経路によるアポトーシスを誘導できなかったため、本機構の破綻ががんの発症に関与することが示唆されました。
本研究の成果は、2025年6月21日に細胞死に関する専門誌 Cell Death Discovery に掲載されました。