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DXによる社会変化に対応する薬剤師育成プログラムの開講

開講の背景

2015年に厚生労働省が策定した「患者のための薬局ビジョン」により、2025年までにすべての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことを目指すことが示され、重複投薬や飲み合わせなどの処方内容チェック、医師への疑義紹介・処方提案、丁寧な服薬指導、 在宅対応を通じた継続的な服薬状況・副作用等のモニタリング、それらを踏まえた医師への処方提案、残薬解消など、患者が医薬分業のメリットを実感できる患者本位のかかりつけ薬局への再編が進み、現在は薬剤師の役割が対物業務から対人業務へとシフトしつつあります。そして、医療におけるDX、ICT化に向けて2021年10月には、レセプトや特定健診情報等のマイナポータル経由での閲覧、2023年1月には電子処方箋システムによる処方・調剤情報の閲覧が開始され、2022年6月には、政府による医療DX令和ビジョン2030が立案され、全国医療情報プラットフォームと個人の健康、医療および介護に関する履歴を一元化したパーソナルヘルスレコード(PHR)の利活用による、病気の予防、健康の維持、最先端の医療の提供、QOLの向上、医療資源の効率化および医療費の削減が期待されています。このような、医療におけるDX,ICT化を支えるために、専門的な医療資格を有するDX人材育成の重要性が高まっています。

 

開講の意図

2022年3月に開催された厚生労働省薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループでの会議資料「薬局薬剤師DX推進について」では、薬剤師が患者から収集したフォローアップ情報およびパーソナルヘルスレコードを収集、分析して有効活用し、個人に適したヘルスケアサービスや受診勧奨を地域の薬剤師が中心となり担っていくことが示されるとともに、薬剤師がどのような知識や技能を身につけていくべきかということが、論点として挙げられています。本学は、デジタル技術に精通し、ICTの活用とデータ分析による、患者中心の対人業務、プライマリーケア、専門医療、公衆衛生およびデジタルヘルスを通じて社会に貢献する「DX薬剤師」を育成するために医療系大学の先駆けとして、学部科目「DX入門」、大学院科目「生命科学計測制御特論」を6月23日より開講します。
第一回講義では、薬局DXの第一人者である株式会社アクシス新上幸二取締役による薬剤師の将来像、医療DXの現状、Amazon薬局など海外の動向についての講演を予定しています。

 

<問い合わせ先>
岩手医科大学薬学部 薬科学講座構造生物薬学分野
教授 阪本 泰光(さかもと やすみつ)
電話:019-651-5110(内線5284)
E-mail:sakamoto@stbio.org