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創剤学分野

ある成分に病気を治す優れた治療効果があったとしても、原薬と呼ばれる粉のままでは患者さんが使用することはできません。原薬を錠剤やカプセル剤、注射剤、貼付剤など患者さんが使いやすく、より効果を発揮できる「剤形」とする必要があります。この「剤形」を学び、くすりを完成させるのが創剤学の分野です。また、くすりは諸刃の剣と言われるように効果が強すぎる成分は反対に毒となってしまいます。このような成分は、最先端の技術を用いて体内でのくすりの挙動を制御することで安全に使用できるようになります。創剤学分野では優れた成分を有効活用できるように、新しい薬物キャリアの創生と臨床適用剤形の改善について研究しています。

分野からのひとこと

くすりを必要な時、必要な組織に、必要な量だけ送達するドラッグデリバリーシステムは、くすりの効力を増大させるとともに副作用を軽減させる創剤学的手法です。当分野では、細胞の1/100程度の脂質粒子であるリポソームと呼ばれるキャリアに薬物を入れ、その特性と体内挙動の相関関係を明らかにし、有用性の高い製剤の開発研究を行っています。
また、剤形を扱う唯一の分野として臨床での問題点を創剤学的観点から改善し、学際領域の取り組みから医療の発展に貢献すべく、附属病院での課題にも積極的に取り組んでいます。
その他、近年はスポーツ領域においても薬剤師の活躍が期待されています。そのひとつがアスリートをドーピングから守る薬剤師です。日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が認定するスポーツファーマシストの資格を有する教員が在籍しており、講義や現場での活動を通して型にはまらない学びを学生さんにお伝えすると共に、社会に貢献すべく活動しています。

分野の基本理念

創剤学は他学部には存在しない薬学部特有の研究領域であるとともに、薬学だけでなく、医学、工学、理学など多くの知識が集約した分野です。広い視野を持ち、考え、自発的に活動すること、研究室は社会であり社会人として常識を身につけることが大切だと考えます。分野や大学内に留まらず、外の世界を俯瞰し、アグレッシブにチャレンジし続ける人材の育成を目指します。

主な研究内容

  1. リポソームのキャラクタリゼーションと生物学的有用性に関する研究
  2. 経口投与型リポソーム製剤に関する研究
  3. 経皮吸収を目的とした製剤学的検討
  4. 臨床適用剤形の改善と付加価値の付与に関する検討
  5. 岩手県産資源に対する機能性付与検討

 

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