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障がい児者医療学講座

岩手県における障がい児者医療に関する医師,医療・福祉従事者の育成および確保の推進を目的として,令和2年4月1日から障がい児者医療学講座を設置いたしました.この分野における医療従事者や4学部学生に対する教育,家族を中心に据えての多職種ネットワークの構築,岩手県立療育センターの診療をサポートし,県が行う障がい児者への支援事業に係る助言および診療の実践により,岩手県の障がい児者に係る療育支援体制の強化を図ります.また,県内全域における医療・保健福祉・教育機関と患者家族が専門医療機関に期待するニーズを調査します.障がい児者が適宜適切なサポートを受けることができるよう,ニーズに基づいた支援体制を強化することを目的とする調査研究を行います.県では,医療的ケア児や重症心身障がい児,発達障がい児等が身近な地域で必要な支援を受けられるよう,支援に従事する相談員や看護師,保健師等を対象とした各種の研修を実施しており,その講師として対応します.

講座・教室からひとこと

赤坂真奈美 教授

赤坂真奈美 教授

近年の新生児・小児医療の発展は,多くの重篤な新生児・乳児を救命してきました.その一方で医療的ケアが必要な超重症児等の重症心身障がい児者の増加につながっており,患者と家族のQOLの改善が重要な課題となっています.また,自閉症スペクトラムや注意欠如多動症などの,発達障がい児とその家族や保育者,教師に対する支援の必要性も高まっています.医療的ケア児や発達障がい児に対し,各自治体において対策を講じ,ライフステージを通した多職種による支援体制の構築のため,医師のみならず多職種の育成が急務であり,診療ニーズへの適切な対応が求められている岩手県立療育センターへの診療支援も重要な課題です.3名のスタッフによる講座ですが,外部の関係機関を含む関連分野に携わる専門職の協力をいただきながら,教育活動を行ってまいります.

講座・教室の基本理念

障がい児者にとって,教育・医療・福祉の地域的なネットワークこそ望まれるものであり,その構築のため相互理解に基づき相手の立場を尊重しながら率直な意見交換を行う必要があります.すべては障がいのある子どもたちを中心に置き,その家族と家庭を守るために活動することを基本理念としています.

 

主な研究内容および診療内容

  1. 障がい児者医療に従事する医師および医療・福祉従事者の育成ならびに確保の推進
  2. 障がい児者医療に関する学生教育
  3. 障がい児者医療に関する調査・研究
  4. 障がい児者医療に関する地域での推進および普及啓発
  5. 支援者を対象とした各種研修(医療的ケア児等コーディネーター養成研修,重症心身障がい児等支援者育成事業,かかりつけ医等発達障がい対応力向上研修)での講師対応
  6. 岩手県立療育センターへの診療応援
  7. 在宅支援・家族支援体制構築を目的とした実態把握のための調査・研究