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小児科学講座

小児科学は、成長と発達の過程すべてが対象となる学問です。その領域は極めて広く、胎児期から成人まで身体と心の医学領域を含んでおり、さらにそれが次世代、未来へと続いていく分野です。

講座・教室からひとこと

赤坂真奈美 教授

小児科は「子どもの総合医」です。主役は子どもたち自身で、我々はその代弁者です。私たちは、やがて大人になる子どもたちとその養育者をあらゆる方面から切れ目なく支援し続けます。当講座では、慢性疾患、難病、医療的ケア児・者、移行期医療、災害支援などに対し、保健、医療、行政、福祉、教育さまざまな部署と連携し、多職種によるチーム医療を実践しています。また県内唯一の中核病院小児科(専攻医の基幹病院)として、質の高い小児科専門医を育成しています。Diversity-Equity-Inclusionな講座内では多様性を認め合い、男女ともに活躍できる医局を目指します。

講座・教室の基本理念

子どもたちの健康を守るための診療のみならず、家族背景やおかれた環境への配慮、子どもたちの人権や福祉の向上、医療の研究と発展、啓発活動、社会貢献を行うことを基本理念とします。当院では子どもたちの権利を守るための「病院の子ども憲章」が制定され、院内に掲げられています。

主な研究内容および診療内容

<診 療>
当講座は、神経、総合(腎臓・消化器・アレルギー・内分泌)、循環器、血液・腫瘍・免疫、NICUの5つのグループに分かれていますが、お互いに協力しながら専門性の高い診療と研究を行っています。矢巾附属病院は、小児病棟58床、総合周産期・母子医療センターNICU 24床、回復期治療室GCU 14床の計96床からなります。集中治療を要する子どもは小児・一般集中治療室GICUや循環器集中治療室CCUで対応しています。
広大な岩手と北東北の地域医療を維持するため、すべての関連病院をテレビ会議システムで結び、24時間365日連携した医療相談体制を構築しています。2020年には全国で4番目となる寄付講座、障がい児・者医療学講座を開設し、教育・研修、診療支援、ニーズ調査などに着手しています。また感染症などから子どもたちを守るために、オンラインを活用した新しい診療の提供も積極的に行っています。
<研 究>
神経
● 磁気共鳴分光法を用いた脳内代謝物質による新生児仮死の高精度予後予測法の確立
● 超高磁場磁気共鳴画像を用いた小児てんかんの病態解析
● 7T超高磁場MRSを用いた早産児中枢神経合併症児の小児期脳内代謝物質評価
● 新生児集中治療室退院児の栄養と発達予後や自尊心に関する研究
総合
● 溶血性尿毒症症候群における重症化・慢性化因子解析
● キャパシタンス(誘電体容量)変化による遺尿・夜尿アラーム・センサーの開発
● 早産児における慢性腎臓病発症リスク因子の検討
● 新児用超低容量血液浄化回路の開発
● 小児早期警戒システム(pediatric early warning system; PEWS)の構築
● 排尿機能障害の病態解明と治療法の研究
● 早産児の便バイオマーカーの研究
● 新生児乳児消化管アレルギーの診断に対する尿中EDNの有用性について
● 新生児の肝臓real-time tissue elastographyの確立
● 急性腎障害の予測バイオマーカーの研究
● NICUを退院した児の低身長予測因子解析
● 新生児の成長に関連する母乳中の微量元素分析
● リジン尿性蛋白不耐症の至適シトルリン内服量の確立に関する研究
循環器
● Fontan術後肝障害の血行動態的決定因子の解析
● 先天性心疾患における血漿ナトリウム利尿ペプチド濃度とその代謝の血行動態的影響
● Fontan循環における房室伝導時間の影響
● 開窓型Fontan術後の開窓自然閉鎖のメカニズム
● カテーテル治療の予後改善効果とそのメカニズム
● 遺伝性不整脈の予後解析
血液・腫瘍・免疫
● 岩手県における川崎病の急性期治療の現状と合併症出現率の解明
● 白血病細胞株の樹立研究
● 製剤の投与間隔が血友病患者のQOL改善に関する研究
● 入院中小児がん患者の遠隔授業に関する研究
● 小児造血幹細胞移植患者の合併症と予後改善に寄与する栄養因子解析
NICU
● 早産児動脈管の開存危険因子と管理
● 胎児心臓超音波スクリーニング体制の構築
● パルスオキシメーターと遠隔診断による新生児危急的心疾患スクリーニング体制の構築
● プロテオソーム解析による重症気管支肺異形成を予測する新規バイオマーカーの同定

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