微生物学講座 [感染症学・免疫学分野]
微生物学 (microbiology) は、細菌、ウイルスそして真菌などの微生物の構造、増殖、病原性およびそれらが引き起こす疾病とその治療法を研究する学問です。免疫学 (immunology) は、生体のもつ免疫機構を明らかにし、免疫疾患の発症機序や免疫機構を用いた治療法を研究する学問です。当分野の目標は、これらの研究や教育を通じてその奥深さや面白さを次世代に伝え、さらにはそれを継承する人物を育成することです。
講座・教室からひとこと

村木 靖 教授
20世紀末から、人類は、新しい感染症(新興感染症)やすでに制圧された感染症の再来(再興感染症)に遭遇しています。2019年末にはCOVID-19のパンデミックが発生し、現在に至ります。このような状況下で、当分野では、微生物学および免疫学の観点から感染症の原因やその制御法を解明することを主な目標としています。
今日、感染症対策には多様な人材の参加が望まれています。当分野では大学院生、研究生、研修生など幅広く人材を受け入れています。微生物、免疫、感染症などに興味をお持ちの方は下記のメールアドレスまでお気軽にご相談ください。
microbio<at>iwate-med.ac.jp
<at>は@と読み替えてください
講座・教室の基本理念
<研究>
当分野には微生物学と免疫学を専門とする教員が所属しており、下記の研究を行っています。
1. インフルエンザウイルスの進化・増殖機構と病原性を解析しています。
2. 宿主因子に交差反応する抗インフルエンザウイルス抗体による肝疾患緩和機構を解析しています。
3. 効率的に粘膜免疫を誘導する粘膜アジュバントを探索し、その作用機序を研究しています。
4. 安全で効果的な粘膜アジュバントを用いたインフルエンザおよびCOCID-19経鼻ワクチンの開発を行っています。
5. 本学産婦人科学講座と共同で、組換えウイルスを用いた子宮頸がんの新規治療法の開発を行っています。
6. キチン分解酵素により生成されたキチンオリゴマーの免疫賦活作用を解析しています。
<医学研究科>
大学院医学研究科博士課程では「医科応用病原微生物学」を開講し、微生物学や免疫学の面から研究活動をサポートします。最終的に、独立した研究者として感染症の診断・治療・予防に役立つ研究ができる人材を育成することを目標にしています。
同修士課程では「生体防御学」を開講し、ウイルス学と免疫学の基本と応用を指導します。
<医学部>
当分野の教育担当科目は、医学部2年次に開講する「微生物学」と「免疫学」です。
「微生物学」では医学に関係のあるウイルス、細菌、真菌、寄生虫の構造、増殖、病原性、治療法などについて学びます。「免疫学」では自然免疫と獲得免疫の基本を学んだうえで、感染防御免疫、ワクチン、アレルギー、自己免疫、腫瘍免疫、免疫不全などについて学修します。
感染症はいずれの臨床科とも深く関わりがあります。微生物や免疫に関連した病態を考える基礎的事項を修得し、臨床医学への橋渡しとしての役割を果たせるような教育をしています。
主な研究内容および診療内容
1. インフルエンザウイルスの進化・増殖機構と病原性の解析
2. 抗インフルエンザウイルス抗体による肝疾患の緩和機構の解析
3. 安全で効果的な粘膜アジュバントの研究
4. インフルエンザおよびCOVID-19経鼻ワクチンの開発
5. 子宮頸がんの新規治療法の開発
6. キチンオリゴマーの免疫賦活作用の解析