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臨床検査医学・感染症学講座

「考える臨床検査」「体験する臨床検査」を基本理念に臨床検査全般に対する理解を深めます。3年生の講義では、検査計画法、検査結果の解釈、治療効果や予後の判定などを学びます。4・5・6年生の臨床実習では、臨床検査全般の実習の他に、患者への検査結果のわかりやすい説明ができ、検査結果を知ることで「患者により添える医師」育成を目指します。

講座・教室からひとこと

講座に所属する各人がそれぞれの研究テーマを持って、医学の発展に貢献できるような自由な環境造りをめざしています。また、これまでは中央臨床検査部の臨床検査技師の方々との業務が主でしたが、平成20年4月から「臨床検査科」が標榜可能になり、外来業務も行っています。他の診療機関や院内の他の診療科で検査値異常を指摘された方の検査相談や精密検査、一般健康診断(就学時・就業時)を通じ、臨床検査を世間一般の方々に広く認知していただけるよう努力しています。令和元年9月の病院移転後には、附属内丸メディカルセンターにて外来診療を行っています。

講座・教室の基本理念

医学的診断は、1)医療面接、2)診察、および3)臨床検査(広義)の3つの手法によってえられる情報を総合的に判断して行われます。これらのうち臨床検査によって得られる情報がもっとも客観的であり、「証拠に基づいた医療(EBM)」のよりどころと言えます。しかも、臨床検査は日々進歩する最新医学の知識と技術に対応しています。従って臨床検査医学講座が担当する講義内容は、現代における医学教育においてますます重要性を増しつつあると言えます。
3年生では後期に臨床検査の講義を行います。4年生後半から約1年間にわたり各グループ1週間の臨床実習が行われますが、臨床検査医学の実習では、テキストが充実しており、実習毎のゴールが明確になっています。特に、採血実習、模擬患者への検査結果説明実習、心臓や腹部超音波検査実習などにおける検査実技OSCEと小テストなどが特徴です。また、5・6年生の高度臨床実習(選択制)では、十分な時間をかけて各検査室を廻り実際の検査業務に触れてもらいます。臨床の生の検査データからその解釈法を学び、医師国家試験あるいは卒後臨床研修に必要な知識・技能・態度を習得します。さらに、「臨床検査科」外来、院内感染対策などの日常業務を体験し、予防医学や医療安全対策など横断的診療支援の重要性について学びます。

主な研究内容および診療内容

これまで臨床検査医学講座の医師の職務内容は中央臨床検査部との関わりが主でしたが、平成20年4月からは、臨床検査科が標榜可能になり、健康診断などで検査値異常を指摘された方々の受け皿として、また特定検診(メタボ検診)の受け皿としてますます重要性が増しています。さらに、臨床検査は、平成30年4月からは、日本専門医機構の定める19基本領域の1つとして位置づけられ、臨床検査専門医と目指す専門研修も行っています。
研究内容は所属する医師の専門性が多彩ですので、臨床検査医学全般から、人間ドック・健診医学、呼吸器病学、血液学、輸血細胞治療学、循環器病学、院内感染対策、臨床検査医学教育など広範囲に及び各人が特色ある研究を展開しています

1.21世紀の検査室運営に関する研究
・患者自身が自分で行うAI搭載呼吸機能検査システム(オートスパイロ)の開発
・患者さんに開かれた検査室の必要性とその実践
・検査部によるチーム医療の必要性とその実践
2.パニック値に関する研究
・パニック値の定義と多職種連携による医療安全への取り組み
・パニック値報告を受けた際の対応マニュアルの作成
・当院における生理機能検査についてのパニック値報告運用の現状と課題
3.造血細胞分化の制御因子とその破綻による疾患に関する研究
・GATA転写因子を介した赤血球分化制御機構
・赤血球造血と哲・ヘム代謝に関する研究(鉄欠乏性貧血、鉄芽球性貧血など)
・GATA-2と造血不全に関する研究
4.感染症の診断と治療に関わる臨床検査の活用と評価および感染制御に関する研究
・抗菌薬適正使用チームが関与する微生物検査に基づいた抗菌薬療法の臨床的評価
・院内感染対策と治療に寄与するClostridioides difficile感染症検査の活用
・地域における薬剤耐性菌の発生状況と分子疫学的解析
・学校保健における新型コロナウイルス感染症対策の普及と効果の実証
5.心臓超音波に関する研究
・TAVI治療後の予後に関する調査
・TAVI治療後の機能不全に関する解析
・僧帽弁疾患に関する診断能向上の関する取り組み
6.医学生の臨床検査医学教育に関する研究
・腹部超音波検査実習における工夫とその教育効果
・臨床検査医学教育におけるICTの利用
7.地域医療に関する研究
・超音波検査を用いた病診連携への積極的なアプローチ