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臨床検査医学・感染症学講座

当講座は、令和6年9月より新しく「臨床検査医学・感染症学講座」となりました。臨床検査による検査診断学と、臨床あるいは基礎的な感染症学を一緒に学べる講座となります。当講座で取得可能な資格は臨床検査専門医と感染症専門医を基本として、抗菌化学療法認定医・指導医、輸血認定医等があります。
近年、様々な特殊検査、先進的検査法が開発され、患者の遺伝子型によって悪性腫瘍の治療適応が判断されるなど、臨床検査医学の重要性が増加しています。臨床治験の実施にあたっても臨床検査の果たす役割は大きく、臨床検査専門医の役割は今後更に重要になると考えられます。また、COVID-19のパンデミックからも分かるように、感染症を疑う患者への初期対応や、基本的な感染症対策の実施は、全ての医師に求められます。感染症指導医と一緒に感染症の診断や治療、感染制御の方針について検討することは、将来いずれの診療科に進んでも重要な経験となります。
今後、多くの人材を育成したく考えており、我々と一緒に感染症や臨床検査の専門医の取得、あるいは博士号取得に向け大学院での研究を行う人材を広く募集しています。

講座・教室からひとこと

当講座で行う講義には、3年生の臨床検査医学、4年生の感染症学があります。3年生の臨床検査医学講義では、血液検査、生化学検査、生理検査、一般検査、微生物検査等の各領域の基本的な知識を学習します。4年生の感染症学講義では、臨床的な視点から、消化器感染症、呼吸器感染症、HIV、寄生虫感染症、小児における感染症、院内感染制御、感染症の法規等について学びます。いずれも、臨床実習前に必ず修得して貰いたい内容となっており、学生には積極的な学習姿勢を期待します。
4年生の後半からは、約1年にわたり各グループ1週間の臨床実習が行われます。採血実習、輸血検査、超音波検査、細菌検査室でのグラム染色実習、抗菌薬の実地的なレクチャー等を行います。5、6年生の高度臨床実習(選択制)では、希望する部門を廻り、臨床検査あるいは感染症に対する理解を更に深めます。

主な研究内容および診療内容

【主な診療内容】

・ 各科の感染症患者への診療コンサルテーション
・ 感染症患者への外来対応
・ 微生物室ラウンド、血培陽性患者の診断と治療方針の確認
・ 抗菌薬適正使用支援チーム・ミーティング
・ 臨床検査科外来

【主な研究内容】

1. 感染症に関する研究
・つつが虫病、日本紅斑熱、SFTSなどの迅速診断検査系の開発
・岩手県内の家畜、野生動物におけるダニ媒介性疾患の疫学調査
・非結核性抗酸菌症の免疫病理学的研究
・呼吸器感染症(COVID-19, インフルエンザ, RSウイルス感染症など)の疫学的研究

2. 感染制御に関する研究
・抗菌薬適正使用における解析
・病原体アウトブレイク調査
・新たな手指消毒法の開発
・新型コロナウイルス感染症対策の効果検討

3. 造血細胞分化の制御因子とその破綻による疾患に関する研究
・GATA転写因子を介した造血分化制御機構の解明
・鉄・ヘム代謝異常に伴う赤血球造血不全に関する研究

4. 生理検査領域の研究
・経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)治療後の予後に関する調査
・TAVI治療後の機能不全に関する解析
・僧帽弁疾患に関する診断能向上の関する取り組み
・超音波検査を用いた病診連携へのアプローチ

【人材募集】

当講座を一緒に盛り上げてくれる医師や大学院生を幅広く募集しています。新しく出来た講座であり、現在多くの人材を必要としています。感染症専門医や臨床検査専門医などの専門資格を取得することが可能であり、臨床研修終了後の進路に迷っておられる方、あるいは既に特定領域の専門医であるものの、セカンドキャリアを検討されておられる方など、幅広く人材を募集します。また、大学院の研究は職種に関係なく専攻することが可能です。当講座に関心のある方の見学も歓迎いたします。ご興味のある方は、是非、下記までご連絡ください。

【連絡先】

仲村 究
岩手医科大学医学部 臨床検査医学・感染症学講座
E-mail: kinakamu@iwate-med.ac.jp