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救急・災害医学講座

救急・災害医学講座は、2022年4月に旧「救急医学分野」と旧「災害医学分野」が統合され誕生しました。

講座・教室からひとこと

眞瀬 智彦 教授

救急医学においては、あらゆる救急疾患に対応できる能力を身につけることを学ぶ新しい分野です。臨床実習を通して救急患者さんに対する接し方、そして診断学、治療学を広く学べるように指導しています。
災害医学においては、東日本大震災津波以降、本学では、各講座・診療科が沿岸病院からの患者受け入れ体制の整備、沿岸病院への医療チームの派遣、避難所での巡回診療、検案業務等を行うとともに、すでに現地での現状把握や医療活動を展開していた関係機関・団体が協働して「いわて災害医療支援ネットワーク」を立ち上げました。そこでは、全体での情報を共有し役割分担することで各々の活動を推進するとともに、県外から派遣申し出のあった医療救護班のマネジメント、傷病者の広域搬送、医薬品・医療資器材の供給、被災者への検診活動、避難所環境整備の調査と提言、感染対策など様々な活動を展開しました。本学では、沿岸地域への長期的医療支援を行うとともに、こういった経験から見えてきた課題を検証し、今後の大規模災害時の医療支援のあり方を提言することを目的として、平成23年9月1日より災害医学講座を設置しました。平成28年8月には救急・災害・総合医学講座災害医学分野に再編し、災害医療に広く対応できる人材育成にも力を入れています。

講座の基本理念

一般に臨床能力とは、知識、技能、態度、情報収集能力、総合的判断能力の5つの要素から構成されるといわれております。 大学全体で年間約40,000人の救急患者の初療からさらに高度な医療まで一貫して行っていますが、岩手医科大学はその過程を通じて高い臨床能力を身につけることが可能な全国でも数少ない施設の一つです。「いつでも、どこでも、だれでも、良い医療を」といわれ、国民の医療に対するニーズは高まっておりますが、これは救急医療の現場では特に強く求められておりますが、その期待に応えられるよう努めたいと思っております。
医療活動とともに、人命救助、通信と情報、物流、生活環境とコミュニティー形成等、幅広い視野から情報を集約し災害時対応の検証を行い、科学的方法を用いて、今回得られた様々な経験から課題を抽出します。また、防災・減災を念頭に、今後の災害時対応の具体的なあり方を国内外に発信していきます。さらに、得られた知見をもとに、学内外の医療従事者等育成に貢献します。

主な研究内容および診療内容

【救急医学】
・生体侵襲時のサイトカインの解析
・多臓器不全症候群の病態生理の解析
・教育シミュレーション研究
・エンドトキシン血症の診断法の開発
・真菌血症の診断法の開発
・敗血症の迅速診断法の開発(国際特許2件、国内特許4件)
【災害医学】
・「いわて災害医療支援ネットワーク」の課題と都道府県による後方支援のあり方の検討
・岩手県で実施された超急性期から急性期における病院間搬送の実態把握
・市町村の災害時保健医療活動のコーディネートに関する実態把握
・発災後の医療ニーズの把握を目的とした医療救護班活動の実態把握と診療録の分析
・避難所の生活環境の実態把握にもとづく環境整備のあり方の検討
・岩手県における防ぎえた災害死の検討
・災害医療ロジスティクスの強化に向けた取り組み


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