東日本大震災津波後における精神疾患や精神的問題に関する予防と早期発見、早期支援が可能となる体制構築に関する研究と人材育成を行い、岩手県の精神保健医療福祉の向上に寄与するため平成24年3月2日より災害・地域精神医学講座を設置いたしました。
講座からひとこと
東日本大震災津波後の岩手県沿岸地域において、地域の保健医療事業のモデルを構築していくことが必要です。また、我が国では精神障害が5大疾患に位置づけられ、地域ケア、チーム医療など精神障害へのケアが国家的に推進されています。特に、自殺対策は国家的な急務の課題として全国で取り組まれています。当講座では、これらの課題に取り組むべく、現場での活動を通して、災害医療や地域での精神医療・保健・福祉事業のモデル構築と効果検証を学術的に行い、災害精神医学と地域精神医学の確立を目指したいと思います。
講座の基本理念
当講座では、災害精神医学及び地域精神医学、自殺対策の領域において、ハイリスク者ケアからポピュレーションアプローチまで包括的なアプローチの開発、実践、教育、検証を行っていきたいと思います。
主な研究と活動内容
- 震災後の岩手県の精神保健システム再構築に関する研究
- 震災後の新たな精神医療ニーズとこれに対する具体的支援策に関する研究
- 震災後に必要とされる精神保健医療領域の専門職の育成と研修に関する研究
- 震災後の岩手県に適した精神疾患の予防と早期発見・早期介入方法の開発に関する研究
- 震災が被災者へのメンタルヘルスと精神保健医療システムに与えた影響に関する研究
- 岩手県が行う震災後の精神保健医療福祉対策に関する助言及び人的支援
- 総合的な自殺対策の方法論の開発と普及
- 地域精神医学における方法論の開発と普及
- 精神科医や保健師などの保健医療従事者の確保及び育成
また、当講座は岩手医科大学に設置された岩手県こころのケアセンター(岩手県委託事業)と連携、相互補完しながら、活動を行っていきます。