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補綴・インプラント学講座 [摂食嚥下・口腔リハビリテーション学分野]

平成29年度から、補綴・インプラント学講座に摂食嚥下・リハビリテーション学分野が新設されました。摂食嚥下とは、食物を認識して口に取り込み、噛み砕き、飲み込んで胃に送るまでの一連の過程をいいます。摂食嚥下・口腔リハビリテーション学分野は、加齢や疾患により摂食嚥下機能に異常を来した方に、私達歯科医師が他職種と連携し、「食べる」ための機能回復を支援する分野です。歯学部学生に対しては、摂食嚥下および訪問歯科診療に関する講義と実習を担当し、矢巾における岩手医科大学附属病院においては摂食嚥下センターで医師,歯科医師,言語聴覚士,衛生士,看護師などの多(他)職種が連携したチームで診療をしております。内丸メディカルセンター歯科医療センターにおいては口腔リハビリ外来での外来診療を担っています。

講座・教室からひとこと

小林 琢也 教授

日本の平均寿命は世界一となり、少子化も相まって世界に類を見ない速度で、超高齢社会を迎えました。これからは単なる長寿だけでなく、健康長寿が問われる時代となります。高齢者にとって摂食嚥下機能の低下は、全身機能の低下に直接繋がります。質の高い生活を高齢になっても維持するために、食べたいものを楽しく口から食べ,栄養素をバランス良く摂取することが大切です。本分野では、「一生口から楽しく食べる」を基本理念に摂食・嚥下機能に障害を持つ患者の「食べる」機能の回復に取り組みます。このような患者の生活の場が在宅、介護施設、病院で、通院困難な場合でも訪問歯科診療により対応いたします。「食べる」機能の回復の結果として得られる継続疾患の予防、健康の維持増進を図るために必要な理論と技術を考究し、さらにその成果に基づく治療の実践と教育を行っています。噛む、話す、飲み込むといった機能の回復を行うことで、国民の「健康長寿」、「アンチエージング」にいかに寄与するかを分野の目標として掲げ、日々精進しています。

講座・教室の基本理念

患者の生活圏(自宅)で「一生口から楽しく食べる」を基本理念とし、患者さんの口腔機能と形態の維持、改善を通して、国民の健康長寿に寄与することを目標と掲げています。そのために必要な研究課題の追求とEBMに基づく治療医学の確立、さらにそれらを実践し国民の負託に応えられる歯科医師の養成が当分野の使命であると考えています。

<主な研究内容>

  1. 口腔機能障害が高次脳機能に及ぼす影響
  2. 口腔機能と全身疾患との関連についての解明
  3. 認知症と口腔機能との関連についての解明
  4. 訪問歯科診療における新たな治療法の開発
  5. 高次脳機能からみた口腔リハビリテーションの評価
  6. 新しい摂食嚥下機能評価法の開発

<主な診療内容>

    顎口腔機能障害、摂食嚥下障害、摂食嚥下リハビリテーション、訪問歯科診療