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人間科学科 [哲学分野]

医療人に必須の学問である「医療倫理学」「生命倫理学」と、より広く哲学・倫理学の考え方を学ぶ「哲学の世界」「道徳のしくみ」を開講しています。
医療に関わる倫理問題は、しばしば単一の答えが見つからない、悩ましい問題です。現場でこうした状況に対処するためには、これまで何が議論されてきて今現在はどうなっているのか、ということを知っている必要があります。そして、難しい選択を適切に行うためには何より考える力が大事です。哲学分野ではその力を育む場を提供します。

講座・教室からひとこと

現代のSNS社会では直感が意見として飛び交い、共感によって人が繋がったり離れたりしているように見えます。フィーリングの合う人と繋がる、これは当たり前のことではありますが、「よく考えられた意見」というのは習慣やセンスの異なる他人とも共有できるものです。「共感」とは別の、合理的な「納得」は、視野と思考に広がりをもたらし、人生や社会をより豊かなものにしてくれます。その「よく考えられた意見」を生み出すものが、哲学です。
「哲学」というと、何か専門的で難解なものと思われるかもしれませんが、どんなテーマであれ、ものごとを「吟味する(ていねいに考える)」のがその本質です。世界の現実はどこまでも多様で、しかも常に変化し続けるため、与えられた答えだけで対応できるものではありません。しかし、現実をより正確に把握し、じっくり考えてそれに言葉を与えていけば、地図のような「拠りどころ」が頭の中にできていくのです。
これは本来誰にでもできることですが、ある程度の訓練は必要で、それが哲学を学ぶ意味になります。そうして身に付いた「考える技能」はあらゆる学問に活かせるため、医療の勉強にも有用です。さらに、日常生活や人生の岐路において、大いに役立ちます。じっくり腰を落ち着けてものを考える余裕があるのは学生の時期だけかもしれません。ぜひこの機会にしっかり取り組んでみてください。

講座・教室の基本理念

哲学は「諸学の基礎」とも呼ばれており、「学問」の入り口に相当します。そういう意味で、本分野ではこれから様々な分野を学んでいく基盤となる「正しく読み、しっかり考え、文章として表現する」能力を身につけてもらうことを目標としています。
哲学・倫理学では過去の代表的な理論を学ぶことも必要ですが、それは「人間には何が考えうるのか」という試みの最奥に触れる経験になります。ただ覚えるのではなく、そこを起点にさらに進んでいってもらえるよう、学生のみなさんをサポートしていきたいと思います。

主な研究内容

  1. プラグマティズムの真理論
  2. 「宗教と科学」関係論
  3. 医療とスピリチュアリティ