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血管内皮細胞での遺伝子発現を1細胞レベルでコントロールすることに成功(解剖学講座人体発生学分野)

本学解剖学講座木村英二助教と基礎生物学研究所生物機能解析センター亀井保博特任准教授ら研究グループは、赤外レーザー照射顕微鏡(IR-LEGO)を用いて、ゼブラフィッシュの個体内で血管内皮細胞を対象に1細胞レベルで遺伝子発現を高効率に誘導することに世界で初めて成功しました。本研究成果は、米国の科学雑誌『Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology』(2013年6月号)に掲載されます。
個体は、発生していく過程で 一定のタイムコースに従って決まった形を作り上げていきますが、そのメカニズムは、いまだ十分 解明されていません。この形態形成メカニズムを明らかにするためには、個体内で1細胞レベルで目的遺伝子の発現を 時間・空間的に制御する必要があります。これまでの方法では十分にこれを達成することはできませんでしたが、今回 研究グループは、最大で60%の効率で標的細胞に遺伝子発現を誘導することに成功しました。
本研究成果を利用して 形態形成メカニズムの理解が進むことで、将来的に再生医療やガン医療の進展に貢献することが期待されます。今後は、形態形成に関与する遺伝子を選定し、本システムによる機能解析が進められる予定です。

 


<本研究に関するお問い合わせ先>

岩手医科大学 解剖学講座人体発生学分野
助教 木村英二         
電話:019-651-5111(内線5831) 

自然科学研究機構 基礎生物学研究所光学解析室
特任准教授 亀井保博
電話:0564-55-7630