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耳鼻咽喉科学講座

講義は臨床医学全般の中における耳鼻咽喉科学講座の位置付けと他科との関連性を解説しながら、耳鼻咽喉科学および関連領域の基礎知識を学んでいきます。臨床実習では解剖の理解に重点を置き、形態から耳鼻咽喉科領域の臓器の機能を理解し、機能の理解から病態の把握にいたるプロセスを学びます。また、授業を通して医学研究者、医学教育者、臨床医となるための将来への基盤を形成していきます。

講座・教室からひとこと

佐藤宏昭 教授

耳鼻咽喉科では聞く、話すという日常生活のコミュニケーションには欠かせない聴覚、音声言語機能を扱っており、これらの機能障害をきたす疾患に対して内科的、外科的、リハビリテーション的医療など多様な治療を行っています。さらに嗅覚、味覚、平衡覚など様々な感覚器も診療対象としており、これらの機能障害を改善するための診療も臨床の大きな柱になります。当講座では聴覚医学の研究と中耳疾患の聴力再建手術、人工聴覚器手術、鼻副鼻腔疾患の内視鏡手術や頭蓋底外科手術に力を入れていますが、地域が求める幅広い耳鼻咽喉科疾患に対応できる臨床医の育成にも力を入れています。

講座・教室の基本理念

耳鼻咽喉科学講座は聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚など人間のもつ基本的な感覚の中でも極めて重要な分野を受けもち、また同時に音声・言語機能、呼吸機能、嚥下機能などの広範囲な領域を含む学問であります。このような生活の質に大きく影響する領域の機能障害の原因を追求し、診断、予防、治療に貢献する診療と研究を行うことを教室の基本理念としております。

主な研究内容および診療内容

耳鼻咽喉科領域のうち診療においては全分野にわたります。研究については聴覚生理(難聴・耳鳴・補聴器・人工聴覚器・聴覚スクリーニング等)に重点をおき、小児難聴や難聴遺伝子、中耳病態生理など、臨床と密接に結びついた研究を行なっています。

  1. 臨床聴覚:難聴・耳鳴の診断および治療については岩手県のみではなく、秋田県、青森県の一部を含めて、各関連病院と連携をとりながら診療を行っています。なかでも高度感音難聴の患者様につきましては人工内耳手術を行っております。人工内耳手術は東北地方では最も豊富な経験を有しており、最近では1歳前後の小児例も数多く手掛けております。人工内耳では術後のリハビリも極めて重要ですが、より早く社会復帰に近付けるように努力し、アフターケア等も欠かさず行っています。最近では外耳道閉鎖などの治療困難な伝音難聴に対する新たな人工聴覚器である人工中耳や骨導インプラントの手術も行っています。
    研究面では、耳音響放射やワイドバンドティンパノメトリ、補聴器の適性検査、音響分析を含めた補聴器の特性、突発性難聴の予後因子の検討、高度難聴者の質的診断として聴性定常反応、小児難聴の遺伝子診断など多岐に渡っております。さらに、最近では放射線科と共同で超高磁場MRI(3テスラおよび7テスラMRI)を用いた聴覚器の微細構造の画像表現化をめざした研究や、難聴者が音をどのように理解しているのかを調べるための大脳における音処理機構の研究も行っています。
  1. 中耳病態生理:慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、耳硬化症、中耳奇形、外傷性耳小骨離断など中耳疾患の診断と治療について画像診断を交えて研究しております。放射線科との協力のもとにCT画像を様々な角度から再構築し、立体ヴァーチャル画像を新たに作成した上で手術に望み、術中所見との対比、術後成績を左右する因子などについて研究しています。最近では従来の高分解能CTを大きく上回る解像度を持つCTを用いた研究も行っています。
  2. 鼻科領域:鼻内視鏡導入に伴い、副鼻腔炎の治療はすべて内視鏡下にて行っています。放射線科とタイアップして、ヴァーチャル内視鏡画像をCTにて構築した上で、常に安全にまた適切に手術が行われるよう万全の対策を図るよう努力しております。内反性乳頭腫や神経鞘腫、若年性血管線維腫など、鼻副鼻腔から翼口蓋窩、頭蓋底の良性腫瘍に対しても、鼻内から内視鏡手術を行っています。
  3. 咽喉頭領域:睡眠時無呼吸症候群の外科的治療も行うようになっております。嚥下障害や音声障害に対しても、嚥下機能評価や音声分析をおこなっており、適応のある症例に対しては頭頸部外科と連携して外科的治療も行っています。