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医療工学講座

歯科の治療では多くの材料(生体材料)を使います。生体材料には、金属、プラスチック、セラミックスなど様々な素材を用います。これらの材料の性質や生体との適合性を調べ、新規材料を開発することで医療の発展、国民の健康増進を目指す講座です。

講座・教室からひとこと

武本真治

武本真治 教授

歯学の基礎学問には、顎口腔領域を中心とする人体の構造、機能、病因、病態、治癒機構などを対象とする生物医学分野と歯科医療に用いられる生体材料、治療用器械を対象とする医工学分野があります。医療工学講座は、後者を担当しています。このような分野を擁していることは、歯学部の大きな特徴のひとつでもあります。 歯科医療は、人が生きていくために摂取する食物の入り口の器官を健全に保つことにあります。特に歯の損傷、喪失は摂食機能を著しく低下させます。しかし、一度損なわれた歯や喪失した歯は、自然に元の状態に蘇ることはありません。それゆえ、人工物でもって代替する必要があります。生来の健康な歯や歯列を人工物や人工の装置で治療し、本来の機能を回復することは今もって極めて難しいことです。私たちはそれを実現すべく、現代の生体材料科学(生体組織工学を含む)の最新技術を歯科治療に応用するために奮闘しています。

講座・教室の基本理念

教育と研究を通して歯科医療の発展に貢献することが本講座の目標です。歯科医師を目指す学生諸君には、歯科医療に用いられる様々な歯科材料、歯科生体材料、歯科医療機器・器械について、その性質と取り扱い方を分かりやすく教授します。特に、材料のもつ特性や医療機器・器械の原理、性能について、物理学、化学、生物学の科学的な基本概念をもとに、しっかり理解することに主眼を置いています。具体的には、特に初学者に対しては、材料、器械が歯科医療の中でどのように用いられているか、またその用途に用いられる材料、器械は、どのような性質や性能が求められるかを把握した上で、実際に用いられているものがどの程度その要求に応えているかを知ってもらいます。そして、より合理的な使い方を考える力を養ってもらいます。 研究に関しては、現在用いられている材料、器械の問題点を明らかにするとともに、科学的な発想により、その改善策および新材料の開発に向けた取り組みを行っています。各種の歯科材料の基本的な物性をはじめ、材料と生体との適合性、融合性について物理化学的ならびに臨床的な観点から研究を進めています。

主な研究内容および診療内容

  1. 各種歯科材料の基本的性質、生体適合性評価および臨床応用技術
  2. 組織再生用生体吸収性材料の開発
  3. 耐食性に優れた金属材料の開発
  4. 骨補填材の骨伝導性および組織反応