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解剖学講座 [発生生物・再生医学分野]

人体諸器官の発生と組織構造について学びます。実習では、顕微鏡下で人体の微細な構造を自分の眼で確認し、人体の不思議と巧妙な生命現象を自ら探求する思考力を身に付けることを目指しています。

講座・教室からひとこと

原田英光 教授

原田英光 教授

我々の講座は、25年近くも培養技術の改良に取り組みながら、歯や軟骨の発生のメカニズムを解明してきました。歯は胎児の時代に、上皮と間葉の2つの異なった組織間の誘導作用によって形成されることが判明しています。胎児期にすでに乳歯と永久歯の原基が形成され、幼児期になると乳歯が順序にしたがって萌出します。これらの時期に原基に不都合があったりすると正常な歯が形成されません。また、永久歯が萌出してもけがや歯周病で歯を失うこともあります。こんな時に、培養された歯があれば、それを移植して健全な咬合を回復する事が出来るかもしれません。これが今話題となっている「再生医学」です。最近では、歯の再生や発生のプロセスを多くの方に理解していただけるように、イメージングする技術開発に積極的に取り組んでいます。我々の研究は、歯にあらわれる病気の原因を明らかにすると同時に、新しい治療法の開発にもつながります。

講座・教室の基本理念

組織学とは人体の構造を顕微鏡レベルで探求し、類似した形態・機能を持った細胞からなる「組織」、各組織が一定の組み合わせと配列によって構成する「器官」、器官の統合された機能系としての「器官系」について総合的に学ぶ学問です。また、歯科基礎医学においては特に、これらの基礎知識を基に歯や歯周組織の構造を中心にして、臨床医学を学ぶ基礎作りを行います。また、発生学として、ヒトの身体構造、先天性異常および各疾患の「成り立つ原因」を理解するために、人体諸器官の発生に対する学習は重要な単元として位置づけています。
学生には理解しやすいように、組織学総論・各論、そして口腔組織学に分け、2年生の前期と後期を通して1年間、講義と顕微鏡を用いた実習を行います。達成目標を明確にした講義と実習、さらに評価を行うことによって確実な学力を身につけることができるよう指導致します。また、大学院生には研究活動を通じて国際感覚を身につけることができるように、外国雑誌への投稿や国際学会での発表を推進しています。

主な研究内容および診療内容

研究の内容は、主として歯科再生医療の実現を目指した細胞培養技術の開発、歯と歯周組織の発生機構の解明と再生への展開、メッケル軟骨の機能発生の解明、器官培養系を用いた歯胚の形態形成メカニズムの解明をテーマに将来的な臨床応用を意識した研究を行っています。

  1. 再生医療の為の技術基盤の構築と教育
  2. 歯の再生
  3. 歯周組織の発生機構の解明と再生治療への展開
  4. 培養メッケル軟骨細胞による細胞の機能転換に関する研究