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生理学講座 [統合生理学分野]

生理学は、生体の機能とそのしくみを理解する学問です。分子-細胞レベルから器官-システムレベルまでの生命現象を相互に関連づけながら、個体の正常機能を統合的に学びます。

講座・教室からひとこと

中隯 克己 教授

中隯 克己 教授

生理学の研究では、生きた細胞や組織、生体に対して様々な刺激を与えながら、或いは実験条件を課しながら、対象からの応答をリアルタイムで観察します。機能を解き明かすためには、目的に相応しい手技を選択して修得しなければなりません。また生きた標本からのデータでは揺らぎが大きく、その解釈には本質的な情報を抽出する深い洞察力が必要です。生命の摂理を一つ一つ紐解いてゆく作業はひたすら地道ですが、標本がその真理を、そっと我々だけに明かしてくれる尊い瞬間が、生理学の醍醐味です。

 

講座・教室の基本理念

本講座は、主に医学部の1~2学年を対象に、器官レベルの機能を学ぶ「器官生理学」と神経系の制御機能を学ぶ「神経生理学」の講義・実習を担当します。目指すものは、正しい用語を用いて生体機能を説明できるようになることです。これこそが、生理学的なものの見方・考え方を習得することであり、分子や細胞のレベルから病態を理解できる“physiologically-minded”な医師づくりに繋がるものと考えます。

生体には、体外の物理的環境の中で適切に行動する機能と、生命を維持するために体内の環境を適切に維持する機能が備わっています。当講座ではそれらの機能を解明するために、パッチクランプ法や細胞内記録法、細胞外記録法などの電気生理学的手法を用いて、細胞、組織あるいは生体レベルの研究を行っています。「知りたい」と湧きいづる思い、すなわち知的好奇心を軸に据え、議論を重ねながら思考を深めることが枢要と考えます。

主な研究内容および診療内容

  1. 麻酔下・覚醒下動物を用いた脳内神経回路機能の解析
  2. 脳スライス標本を用いた局所神経回路機能の解析
  3. 培養細胞や摘出臓器標本を用いた膜輸送・細胞内シグナル伝達系の解析