平成22年度薬学部1・2学年父兄懇談会
本日はお忙しい中、たくさんの父母の皆様にお集まりいただき、ありがとうございます。
岩手医科大学は明治30年に、三田俊次郎先生が岩手の医療の貧困を憂いて私立岩手病院医学講習所をつくったところから始まっています。今年で113年と いう年月を数えます。この間、東北・北海道で初めての歯学部を開設し、薬学部は4年生まで進んできています。今日お集まりの皆さまは、まだ実感がないかと 思いますが、6年間というのは長いようであっという間です。
岩手医大は総合移転計画の真っ只中にありますが、3月には第二期事業が完成して、矢巾キャンパスの建物が現在の倍以上になります。医学部・歯学部の基礎 系の講座がほとんど矢巾に移ることになっています。薬学部を持つ総合大学は全国にも数多くありますが、その中でも薬学部と医学部・歯学部が連携して教育や 研究、診療にあたっているところは少ないです。それぞれが独立して学部を運営して、せっかくあるシーズを互いに分かち合うことがないという欠点がありま す。
本学は幸いにも大きな大学ではありませんし、単科大学でもないという利点があります。ちょうどいいスケールメリットがあると思っています。そういう意味 で、医療の実践で活躍している医師・歯科医師、薬剤師の方々が連携して教育、研究、診療を進めることで、大きな大学に伍する、あるいはそれ以上の実績を上 げることができるものと信じています。
来年4月からは新しい建物の運用が始まります。その中に、7テスラのMRI研究施設があります。これは非常に高い磁場のMRIで、世界で9台目、日本で は2台目となります。ただし日本における1台目の機械は、まだ十分に稼働していないということなので、本学で稼働が始まると日本で初めての7テスラのもの がスタートすることになろうかと思います。これは医学のみならず、歯学・薬学の研究、診療に大いに力を発揮することと思います。
薬学部は来年度になると5年生まで進みます。6年生の卒業に向けて現在、大学院の設置の準備を進めています。薬学部が六年制になったのは、病院実習や薬 局実習を義務付けるという国の政策があったわけです。本学は1300床を超える大病院をもっています。これは東北・北海道でもっとも大きい病院です。大学 の施設を上手に使ってもらい、将来の薬剤師、研究者、あるいは企業人として大いに羽ばたいていただくことを期待しています。
本日は、お集まりいただき、懇談の場を設けることができたことに重ねて御礼申し上げて、ご挨拶といたします。ありがとうございました。