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事業移管について

遠隔医療ネットワークを含む地域医療情報連携に係る事業につきましては、システムの構築フェーズから実稼働フェーズに移行したため、平成28年度より災害時地域医療支援教育センターから岩手医科大学総合情報センターへ事業移管しました。

 
地域医療情報連携担当教授より

地域医療情報連携担当 教授 小山 耕太郎

岩手県ならびに周辺地域は、その広大さに加え特有の地形から交通の難所が多く、地域格差が生じやすいのが特徴です。本学は、医師の不足・偏在という当該地域の医療における長年の課題に対して、医療連携を進めることで対応してきましたが、東日本大震災後は沿岸地域の医療復興にも積極的に取り組んでおります。

被災地医療機関から寄せられた「大学病院の専門医と文字情報や動画像等を情報共有してコンサルテーションを行いたい」、「患者紹介に必要な情報の共有(提供)を容易に行いたい」という要望に応えるため、「いわて医療情報連携システム・遠隔医療システム」の構築と検証を進めております。

 
いわて医療情報連携・遠隔医療システム

「いわて医療情報連携・遠隔医療システム」は、岩手医大と被災地の協力医療機関との間で医療情報を連携させることで、あたかも一つの大きな病院のように患者さまを診療できるようにするためのシステムです。

まずは、岩手医大と久慈病院、宮古病院、釜石病院、大船渡病院との間でシステムを構築し、検証を進めてまいります。 「いわて医療情報連携・遠隔医療システム」では、以下の2つのシステムを構築し、検証を進めます。

1) テレカンファランスシステムを用いた症例コンサルテーション
 

協力医療機関の担当医と岩手医大の各分野専門医との間で、テレカンファランスシステムのディスプレイに表示される患者さまの診療情報(カルテ情報、検査結果、エックス線画像等)を共有しながら相談し、専門的な助言を得ることができます。電話等による従来の方式と比較して、精度の高い助言が可能になり、患者さまにより良い医療を提供することができるようになります。

2) 医療情報連携リポジトリを用いた患者紹介
 

協力医療機関と岩手医大との間で、診療情報(カルテ情報、検査結果、エックス線画像等)をオンラインで共有致します。患者さまの転院等を必要とするような場合に、診療情報をそのまま即時に引き継ぎますので、手紙などによる従来の方式と比較して、正確で詳細な診療履歴を、予め確認することが可能となり、円滑な診療の連携につながります。

【参考資料】

   

症例コンサルテーション

【参考資料】

                     

患者紹介

【参考資料】

   

活動実績

平成25年度実績

実施状況

◆診療データのバックアップ
 本学と被災地医療機関との間での医療連携を行うため、本学の診療情報を標準化し、電子カルテ、放射線、心エコー、心カテ、内視鏡、心電図などの診療情報を災害時地域医療支援教育センター内のリポジトリに549,409名分保存蓄積した。
 また、蓄積した診療情報を活用して、既にリポジトリが構築されている岩手県立大船渡病院間との患者紹介時における診療情報のオンライン提供の検証を新たに実施することで、遠隔医療システムの有効な活用方法の確立を図った。
 ・診療情報データ形式の標準化
 ・診療情報の保存蓄積:549,409名分
 ・診療情報のオンライン提供|岩手県立大船渡病院:3件
 ・患者紹介時における診療情報のオンライン提供の検証による問題点の洗い出し

◆遠隔医療システムによる診療維持機能
 本学の各診療科及び岩手県立久慈病院、岩手県立宮古病院、岩手県立釜石病院、岩手県立大船渡病院にテレカンファランスシステムを配備し、相互間にて電子カルテ画面の共有を行い、症例コンサルテーションを実施した。
 岩手県立宮古病院  8件
 岩手県立釜石病院  18件
 岩手県立大船渡病院 8件

実施の様子