高気圧環境医学科
学科紹介
当室は本学創生期にあたる昭和41年に開設され、スモン、脳血管障害、頭部外傷、突発性難聴などの臨床研究を行い大きな成果を残してきました。
当室は低酸素状態による組織の様々な障害や悪影響、高気圧下の高酸素暴露が生体に果たす役割について研究しています。一方、高気圧酸素環境で使用できる市販の機器は限られているため、異常環境下でも安全に作動する機器の開発研究も行っており、電子機器の開発のための環境も充実しています。
主な研究内容
◇一酸化炭素中毒の急性期大脳白質障害の解明と臨床応用:超高磁場MRIやPETなどの神経放射線画像を用いて大脳白質障害を客観的評価し、慢性期重症化の予測と予防を課題として研究しています。
◇低酸素状態での悪性腫瘍の生物学的特性の解析と高気圧酸素暴露による臨床効果の研究:低酸素状態による悪性腫瘍放射線耐性や悪性腫瘍組織内血管新生に対する高気圧酸素暴露による効果について研究しています。
◇高気圧酸素治療の気圧障害など
学生へのメッセージ
高気圧環境医学では大気圧より高い気圧環境と高濃度酸素環境を用いて医学系・歯学系疾患に対する治療を行っています。当室は本邦でもこの治療の先駆的施設であり、これまでも新しい治療適応を開発し、高気圧環境医学の発展に寄与してきました。高気圧環境医学は20世紀初頭から発展してきました。最近、米国を中心にこの分野は再び脚光を浴びてきていますが、日本ではまだまだ人材が不足しております。また、治療、研究を行う施設も少なく、東北地方では唯一の施設として治療・研究・教育を行っております。異常環境の医学的解明は潜水医学、航空医学、宇宙医学も含めて幅広く、未開拓の分野です。今後、人類の活躍の場が拡大するとともにこれらの分野の研究者はさらに求められます。