◆婦嬰新説
  合信(ホブソン) 著, 管茂材 同撰
  上下巻
  平安 : 天香堂 , 安政6 [1859]


  『婦嬰新説』は1858年に中国で発行され、日本にもたらされた産科学書である。
  本書は、イギリス宣教医師のホブソンが西洋の近代的な産科学を中国に紹介するため、管茂材の協力を得て中国語で書かれたものである。日本では中国原書本をもとに、訓点などを付けて刊行された。


  構成は上下巻からなり、上巻は主に産科学で、その巻頭には産科図譜がおかれ、受胎から産褥までが記載されている。下巻は主に小児科学で、母乳、新生児疾患、種痘、用薬が記され、総合産科書として巧みな構成になっている。
  本書だけでなく、ホブソンが著した医学書は、明治維新の開明期に西洋医学の紹介書としてわが国の医学界に与えた影響は大きいと言える。


参考文献
梶井重明(2000). こだま. 金沢大学附属図書館報, 136, p.4-5.