◆幼幼精義
  フーフェラント 著, 堀内素堂 訳
  全七巻
  米澤 : 日渉園 , 弘化2[1845]


  『幼幼精義』は1845(弘化2)年に刊行された日本初の西洋小児科医書である
  本書は、ドイツ人医師のフーフェラントが著した医学書を基にオランダ語版が出版され、それを日本語に翻訳したものである。訳者である堀内素堂は米沢藩医を務めた人物であり、22歳の若さで藩主の侍医に抜擢されたほどの才能の持ち主である。


  構成は二篇からなり、第一輯(第一〜三巻)は小児疾病の病原総論、吐剤論、下剤論について、第二輯(第四〜七巻)には痘瘡論について記されている。原病総論では、小児科医としての小児に対する心得も書いてある。
  本書はわが国の近代小児科学の創始と樹立に大きく貢献したと言われている。


参考文献
加藤健司(2015). 翻訳者としての米沢藩医堀内素堂-山形翻訳者の系譜(3)-. 山形大学紀要(人文科学). 2015, 18(2), 47-62.
“堀内素堂と幼幼精義”. 米沢市医師会. http://www.omn.ne.jp/~isikai/ (参照2016-10-26)