◆金匱要畧方論 <3巻>
張機仲景述 , 王叔和集 , 林億詮次 , 趙開美校刻 ; 巻上,中下. -- 林權兵衛, 寛政1 [1789]

◆金匱玉函要略述義 3巻 (存1巻)
丹波元堅學 ; 巻上. -- [出版者不明], 嘉永7 [1854].


  『金匱要略』は、『傷寒論』と同じく後漢の張仲景が著した漢方医学の古典書である。晋の王叔和が散逸した部分を収録し、宋代になって林億が校正した。
林億の序文によると、―張仲景は『傷寒雑病論』16巻を著したが、今の世(北宋)には、『傷寒論』10巻が伝存するのみで、『雑病論』は世に見えず、その一部が諸家の方書に引用されているにすぎない。 ところが、翰林学士の王洙がある日、国家の図書館で虫損を受けた古書中に、仲景『金匱玉函要略方』3巻を発見した。当書は上巻に傷寒、中巻に雑病、下巻に処方と婦人病が記されたものであった。 当書中の処方と証(患者の状態)が完備しているものを使用してみると、驚くべき効果があった。しかし、病証の記載のみで相応する処方が欠落していたり、逆に処方のみでその証がないなど、 治療に使用するには不完全な書である。上巻の傷寒部分はすでに『傷寒論』を校刊済みなので除き、中下巻の雑病、婦人病、および飲食禁忌までを全25篇、処方262方の3巻本に再編成し『金匱方論』と名付けた。―とある。
金匱は大切なものを収める箱のことであり、貴重な処方であることを意味している。


<各書目の内容>
  全3巻25篇 262方、約191の薬物が記載されている

第1篇 診断に関する総論
第2〜19篇 各種疾病別の論説と治療方法
第20〜22篇 婦人科疾患の論と処方
第23篇 救急治療
第24・25巻 飲食禁忌と食中毒の治療方法


参考文献
真柳誠「金匱要略」解題 http:// mayanagi.hum.ibaraki.ac.jp/paper01/kinkikaidai.htm [accessed 2012-08-21]